なかなかマロン様について書くことができず、
わたしの中で日々言葉を探していました。
ペットシッターとして、
ペットシッターである「わたし」として、
感じていることをどこまで書くことがこの場にふさわしいのか、
悩んでいました。
色々考えて書かないよりも、
マロン様とご一緒させていただいて感じていたことを書きたいと思う気持ちに従って、
素直になろうと思います。
お伺いすると日向ぼっこしておられたマロン様。
お声かけをして、
散歩にお誘いします。
とっても楽しそうなマロン様。
この時間がこの瞬間のマロン様の全てです。
お打ち合わせの時に飼い主様と一緒に
マロン様のお散歩をさせていただきました。
その時、飼い主様は、
「マロンは少年を見かけると、よく寄って行ってたんです。
今は目がほとんど見えないし、耳も聞こえていないみたいなので、
そういうことも無いけれど・・・。
保護される前だから、3歳までか5歳までの間はそういう少年がいる家族と暮らしていたのかもね」
「私たちが出会った時に片眼は失明しかけていたんです。
何かにぶつけたのか、事故にあったのか、原因は分からないけど。
尻尾も切られていて、マロンの過去は分からないけど、
家族になってからも何となく心を開いていないなと感じることがあるんです。
オレはオレ・・・みたいな」
この時わたしは、
『マロン様、かわいそう』
と、思いました。
こちらのご家族に出会うまでにとっても辛い時間を過ごされたのかもしれないと想像したからです。
そして、今、13歳もしくは15歳になって、
目が見えず耳も聞こえず、
鼻の奥に腫瘍が出来て時々鼻血が出てしまうマロン様に対して、
『かわいそうだ』
と思いました。
そして、こうしてシッティングにお伺いさせていただき、
マロン様とお散歩をさせていただきながら、
あの時感じた
『かわいそう』
に違和感を抱きました。
『かわいそう』って何だ?
『かわいそう』なのか?
確かに、家族と離れてしまわなくてはいけなかった過去は、決して幸せな出来事では
無かったと思う。
けれど、今はこうして大切にしてくださる飼い主様の元で、
愛情に満ちあふれた日々を10年も過ごしてこられたマロン様。
誰でも、もちろんわたしも、
年老いて体にも不調が出てくる。
それでも急にそうなる訳ではなく、40歳なら40年生きてきた結果として老いていくのだから、
今のわたしに対して、不調が出ているからといって、
かわいそうとは誰も思わないと思う。
自分自身も思わない。
マロン様の体が辛くても、
マロン様は自分のことをかわいそうだなんて思っていないだろう。
それなのに、ポッと出のわたしなんかに、
ちょっと過去の話を聞いたから、
ちょっと体の不調を聞いたからって
『かわいそう』
なんて思われたくはないだろう。
かわいそう、なんかじゃ無いんだから。
マロン様は。
こうして朝と晩にお散歩をして、
楽しければ笑い、
つまらなければそっぽを向き、
興味があれば向かっていく。
食べたければ食べるし、
喉が渇けば美味しく水を飲む。
マロン様の笑顔の奥に、
理不尽な過去や、老いや病があったとしても、
わたしに見せてくださった笑顔に嘘も偽りも虚勢も見栄も無く、
今のこの瞬間が全てなのだと感じました。
だから、
だから、
わたしは『かわいそう』と思った自分を恥じました。
そして、そう思った失礼を深くお詫びしたいと思いました。
飼い主様に、マロン様に。
きっとこれからもわたしはそう思ってしまうことがあると思います。
でも、その度に何度も考えます。
笑顔の奥にあるものと、
笑顔について。
笑顔の奥に、
言葉にできない過去や病や老いがあっても、
一緒に過ごさせていただける今に感謝して、
わたしも笑顔になります。
そして、ご一緒させていただいている貴重な時間は、
笑顔を生み出す努力を惜しみません!
それは、お世話を任せてくださっている飼い主様へ向けても、
努力いたします!
マロン様、
以上がわたしの正直な気持ちです。
どうか、どうか、
愛情たっぷりな飼い主様ご家族の元、
長生きしてください。
と、その頃メロ様は・・・
お一人で遊んでおられた形跡を残し、
姿をくらましておられるのでありました・・・。
続きます。
長いブログ、失礼しました。
でもまだマロン様とメロ様日記は続きます。
よろしくお願い申し上げます。
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